劇的!ビフォーアフター 物件174 90歳の母を玄関で介護する家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。
今回は、狭く段差が多い住まいで、母親を介護する住宅のリフォームです。
介護する娘さんも既に60代なので、より簡単に介護できるリフォームが要求されます。
これからの日本では同じような状況が増えることが予想されるだけに、介護しやすいアイデアに期待しましょう。
解体前に見ると、住まいの傾きが感じられます。
お神楽と呼ばれる、元々平屋の住宅部分に2階を載せたために、構造的にきわどい状態となっていたのです。
重い屋根瓦を降ろし建物をまっすぐにして、鉄筋コンクリートの基礎を作って補強です。
外側にしっかりした柱を設置して補強、屋根も軽いスレート瓦(コロニアル)で葺き直しです。
断熱材もしっかり入りました。
玄関の土間を広くし、車椅子での出入りも可能なスペースを確保です。
1階にはキッチンさらに吹き抜けを作って、1階の広さと明るさを確保、2階と1階の架け橋ともなる作りです。
1階のキッチンにつながる位置に、お母さんの寝室を配置。
畳ベッドを設置して、隣の畳ベンチでは添い寝することも可能な作りです。
トイレや浴室にも、すぐにアプローチできます。
2階には二人の姉妹の個室を設置、吹き抜けを介してお母さんお部屋とつながります。
普段はゆっくり休むことも可能になります。
その吹き抜けにはパイプを設置、可動式スノコ床の手摺として窓を開けられるようにしました。
面白い作りですが、窓の開け閉めに余計な手間がかかってしまうのがちょっと残念。
階段の1段目の下に扇形の玄関用の腰掛を設置、収納式で邪魔にならないところがポイントです。
玄関を仕切る引き戸のレールの上に来る形となる、アイデア腰掛です。
腰掛は、昔の土間の玄関に近い高さとなります。
昔は縁側や高い玄関の段差がバリアフリーだったのです。
家に入る狭いアプローチも、歩きやすくすっきりしました。
玄関は引き戸となり、広い玄関の土間につながります。
玄関収納はスライド収納する扉や降りてくるハンガーなど、使いやすい機能を満載です。
玄関の敷居下には、沢山の靴をそのまま置けます。
お母さんの寝室はダイニングとつながる作りで、畳ベンチ兼収納を活用して使いやすい配置としています。
階段下には移動式の収納を設置です。
キッチンにはごみ出し専用の小ドアや薄い部分も活用した収納を設置です。
洗面所はコンパクトながら、使いやすく配置しています。
浴室も広い3枚扉を2つ設置、洗面所とトイレの両側から使える作りです。
手摺もしっかり設置しています。
トイレの便器脇のベンチも、バリアフリーとして使いやすいものですね。
隣の洗濯流しも、掃除などの際に効果的です。
ゆっくりした傾斜となった階段で上がると、2階は娘さんたちの部屋です。
2人が独立した作りで、どちらからも吹き抜けから1階のお母さんの様子が分かります。
おばあちゃんの寝室の呼び出しボタンを押すと、ブザーと共に部屋や通路の照明が付く作りです。
介護用のブザーとしては、使いやすく安全なアイデアといえるでしょう。
ベランダがあった平屋部分は、半分を物干し場、半分にはトップライトを設置。
使いやすさと共に、1階玄関周りの明るさや暖かさも確保しました。
劇的!ビフォーアフター 物件174 90歳の母を玄関で介護する家 では、手堅い介護用リフォームに加えて、狭さに対応する為のアイデアがポイントでした。
水廻りのスムーズな流れや玄関の腰掛ベンチなど、介護用リフォームとしては定番のものです。
それに加えて細かい配慮がされた収納や、呼び出しブザーなど、良いアイデアも加わっていました。
腰掛や吹き抜けのスノコ床など、操作が増えてしまった部分もありますが、それも普段の生活を快適にするためと考えれば納得できます。
全体的に上手くまとめた、介護用リフォームだったといえそうです。