ISMは壁紙に関する規格で、化学物質の発散を最小限に抑えた壁紙のことを表します。
中間法人 日本壁装協会が、1995年に「健康と安全に配慮したインテリア材料に関するガイドライン(インテリア材料の基準値)」を制定し、ISM(Interior Safety Material = インテリア セーフティ マテリアル)をスタート。
1999年にISM「環境技術基準」制定、2005年に新ISM「壁紙の環境技術基準」制定し、現在に至ります。
ISM機構は健康と安全に配慮した高品質なインテリア材料の供給を目的として設立された第三者機関です。
日本壁装協会は、ISM機構の指導のもとにISM壁紙の管理・運営を行います。
ISM壁紙は厚生労働省の室内濃度指針値を参考とし、製品からの化学物質の放散、製品製造時の原材料の使用に制限を設けた壁紙の安全基準値を設けています。
ホルムアルデヒドだけでなく、他の日本で制限されている有害物質についても基準を設けている点が最大のポイントといえます。
壁紙の製造のみではなく、施工時に使用する接着剤や副資材についても安全性の高いものを使用することが定められています。
さらに、廃棄段階で可能な限りリサイクルを行い、環境と資源への負荷を軽減することも定められています。
住まいの空気環境の安全性から地球環境まで幅広く配慮している点が、最近の環境問題に対する回答として評価できます。
壁装材料については、壁紙協会規格協議会によって制定されたSV規格(標準規格)という自主規格もあります。
有害物質に対する規格としては多少甘くなっていますが、耐摩耗性や退色性など、耐久性や施工性に関する規定が定められている点がISM規格とは異なる部分です。
またリサイクルなどに関する規定もないので、プラスチック系壁紙として現在要求される最低限の性能を満たしているというレベルの規格といえそうです。
シックハウス症候群は、必ずしもホルムアルデヒドだけで発症する訳ではないので、他の有害物質を制限することも重要なのです。
ISM規格は、その有害物質に対する基準を制定し、認定している点で評価できます。
さらに、施工からリサイクルまで規定があるので、住まいのみならず地球環境まで意識した認定制度といえるでしょう。