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空を切り取るスロープテラス

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渡辺篤史の建もの探訪 千葉県野田市・橋本邸-空を切り取るスロープテラス で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 空を切り取るスロープテラス は、ご夫婦二人の為の住まいです。
建物の外観は、コンクリート打ち放しの箱。
斜めになった壁など、形の上でもインパクトがあります。

アプローチから駐車スペースの床もコンクリート、2階に上がる外部階段下が砂利である点と、丸く切り取られた桂のシンボルツリー廻り以外はほとんどがコンクリートと徹底しています。
壁が斜めになった2階の持ち出し部分には大きな窓が付いて、中の生活が伺えます。

1階の玄関が大きな引き戸、他にも前述の2階に直通の外部階段もあって、こちらはカフェの入口とのことですが、看板無しです。
玄関の大きな引き戸は、右側に引くと人が入れるだけ開き、左側に引くと車庫全体が開放されます。
面白いデザインですが、知らない人は戸惑うでしょう。

玄関戸の部分で靴を脱いで中に入ると、車庫と同じ空間にダイニングキッチンが広がります。
クルマとの境界が無い白い床仕上げは、ダイニングキッチンまで同一のようです。
アイランドタイプのキッチンは食卓と一体、シンクはカバーが付いて、IHヒーターのコンロと相まってフラットな長い天板となります。
背面と側面にキッチン収納や冷蔵庫が納まり、大勢でのパーティーを想定しているダイニングキッチンでもあります。
壁も白で、1階のダイニングキッチンは主に白の空間となっています。

車庫とはガラスの移動間仕切で仕切ることができるとはいえ、屋外で靴をぬぐ玄関にダイニングと車庫が同一の空間は、非常に個性的といえるでしょう。
上部は吹き抜けで、壁のガラス部分から明るい陽射しが降り注ぎます。
ダイニングキッチンの玄関側の壁には、テレビとエアコンと収納。
一面フラットに収まる造りで、縦スリットの明り取り(照明?)付きで、スッキリしていながら、センスの良さも感じられます。

車庫の奥は、ご主人の仕事部屋。
長い造り付けの机に加えて、CDや楽器が置かれる趣味室を兼ねる仕事部屋です。
机の前の横長の窓から、やはり愛車が見えます。

キッチン収納と階段の間に入っていくと、水廻りです。
洗面所はシンプルなカウンターに据え置き型の洗面器、鏡扉の収納には間接照明が組み込まれています。
浴室はコンクリート打ち放し、床と浴槽廻りは白いタイルで、透明ガラスの扉で洗面所と仕切られます。
大きな浴室の窓の外にはバスコート、そのバスコートは型ガラスのジャロジ大窓で仕切られ、ブラインド付です。

洗面所の対面が寝室、コンクリートの壁に白い壁の組み合わせは車庫とDKと同様の仕上げ。
ここに、正面でも目立った斜めの壁が見え、広がり間を演出しています。
照明機器はFLライトのデザイン、窓は必要最小限の細い縦長のジャロジー窓です。

白い箱階段?を登ると、車庫の上はスロープがある屋上空間で、こちらの面は全面ガラスの壁で仕切られています。
ガラス壁側にもスロープが続いていて、コンクリートのスロープの上下にガラスが入る形です。
そして振り返ると、リビングスペースが広がります。
正面から見た持ち出し部分で、大きなガラスと斜めの壁が開放感と広がりをより強める、開放感の高いリビングです。

ガラスの先には隣地の緑が広がり、室内にはデザイナーズソファーやテーブルや照明が置かれています。
大型テレビの下は、斜めの壁にあわせた、床から浮いたシャープなデザインの収納が付きます。
正面の大判ガラス以外は、ハイサイドライトや屋上側のガラスから陽射しを取り入れて、明るさと景色とプライバシーを両立しています。

リビングの隣は予備室、こちらもコンクリート打ち放しの部屋で、現在はアトリエのような空間として使われているようです。
コーナーテーブルの上部に、ガラリで隠されたエアコンなど、家具の作りも他の部屋と同様です。
将来は子供部屋にも使えます。

屋上に出ると、壁面にはコンクリートのベンチ付き。
床は黒く塗られた木でしょうか、そのベンチの横はガラスの扉と壁で、その先には奥さん経営のカフェスペースが続きます。
ベンチはカフェまで繋がるデザインで、コンクリート壁のシンプルなデザインで、上部にはスリット型のトップライト付きで適度な明かりが降り注ぎます。
カウンター周りは白い壁、コンパクトにまとめた業務用キッチンにIHヒーターが組み込まれています。
再び屋上に出て、スロープ゚を登る途中に川が眺められる踊り場があります。
良い景色ですが、手摺の低さが気になります。
さらに登ると、屋根の高さまで続きます。
この最高点では手摺無し、カフェから出られることを考えると、安全面が心配です。


空を切り取るスロープテラス は、RC造、敷地面積198㎡で建築面積110㎡、延べ床面積151㎡です。
1階は93㎡で2階は57㎡、カフェや車庫を含むとはいえ、夫婦2人の住まいとしては十分な広さを確保しています。
建築費は4550万円で坪単価は100万円、鉄筋コンクリート造でも高めのコストは、斜めの壁やこだわりのデザインや設備、さらに広大な屋上テラスのためでしょう。

今回の住まい 千葉県野田市・橋本邸-空を切り取るスロープテラス は、屋上テラスと車庫DKと持ち出しリビングなど印象的なポイント豊富な住まいでした。
住まい手を選ぶ車庫DKは、使いやすさよりもデザインやクルマを見ることを重視した個性的空間。
持ち出しリビングは大判ガラスで隣地の緑を楽しむ、こだわりの空間でした。

目玉ともいえる広大な屋上テラスはスロープ付き、そのスロープを活用した壁ガラスも室内に変化を与えていたようです。
トップライトや細長窓など、陽射しの取り入れ方にもアイデアや工夫が感じられました。
使いやすさや安全面では疑問も多かったのですが、住まい手と設計者のこだわりや個性を最大限に発揮した、強く印象に残る住まいだったといえそうです。

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