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石庭に浮かぶ高床式の平屋

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渡辺篤史の建もの探訪 東京都昭島市・小林邸−石庭に浮かぶ高床式の平屋 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 石庭に浮かぶ高床式の平屋 は、70代のご夫婦2人の為の住まいで、設計者である息子さんと一緒に紹介です。
建物の外観は、地階?がピロティーの一部駐車場で1階が部屋の住宅です。
駐車場部分以外のピロティー部分には割栗石が敷き詰められ、17本の鉄骨の柱で支える形です。
ピロティーの割栗石は、周囲にある石積みの塀と地面に雨水を浸透させる、2つの目的があるそうですが、大胆です。

上部の居室部分は濃い茶色のガルバリウム鋼板、下見板風に貼って、見方によっては茶色の石積みに見えなくもありません。
ピロティーで浮いているので、浮遊感のある平屋です。

門扉は木の竪格子、割栗石の上に上がっていく階段のアプローチは上部が吹き抜け(中庭)で独特な良い雰囲気ですが、高齢のご夫婦のことを考えると少し微妙かもしれません。
中庭のシンボルツリーはアオダモ、階段の途中からは床がグレーチングとなり、そのグレーチングが部屋まで続いて縁側の機能も備えています。
軒の出を傾斜した壁で抑えて、屋根の出を見せないデザインを採用しています。

木製の玄関ドアを入ると、正面が白い下駄箱で、右手に進むと広いリビングダイニングキッチンの空間が広がります。
天井が傾斜していて天井が高く、トップライトから敷地境界側の壁面に光が落ちます。
道路側の大窓に加えて中庭側の木製引き違い窓が特に大型で、その他の面は小さめの窓の都市型デザインです。

床はオーク材の粗鋸目仕上げ、表面の堅さを緩和して、滑り止めにも効果がありそうです。
リビングスペースの中央には、2畳分の琉球ダタミもあり、それに高さを合わせた小窓も備わるこだわり空間です。
リビングとダイニングがワンルーム的な広い空間で、L字型の隠れる部分にキッチンスペースがあります。

ダイニングテーブルは大型のナラの無垢材、照明や椅子などもデザインにこだわりのある製品をそろえています。
キッチンスペースも中庭に向かい合う配置ながら窓は無く、ダイニングスペースからまっすぐに使える形です。
IHヒーター付きのキッチンは広めで、背面L字型に食器棚が並び、囲まれる印象もあるキッチンスペースとなります。

ダイニングの大窓の前には、長いカウンターが備わります。
飾り棚や書斎など、多目的に使えるスペースです。

キッチンの先には廊下があり、開閉できるドアが付きますが、前にバーが付いて通常は出入出来ません。
採光の為に大きなドアにしたようですが、ちょっと不思議。
風通しが良いこの廊下には高い天井から天井吊りの物干しバーが付き、洗濯物干し場にもなります。
洗濯機置き場は収納部分に入れて、スッキリした見かけとなります。

その先が水廻り、まず風呂場があって、その先にガラスの扉とガラスの壁で仕切られるトイレ兼用洗面所があります。
その先にも扉があり、廊下から洗面所に入ることも出来ます。
水廻りを介して、中庭を回遊できるつくりともなっているのです。
水廻りは若干奥行きが狭そうですが、長さがあるので広さにも比較的余裕が感じられます。
浴室はカーテンで目隠しできますが、トイレは洗面所とワンルームという点は微妙でしょうか。

洗面所につながる廊下の先に、ご主人の部屋があります。
トップライトのある部屋で、平行定規(製図版)が置かれたプライベート空間です。
入口の戸を開けると、木製の窓の先に玄関前のグレーチングや中庭が見えます。

その隣が奥さんの部屋、こちらもトップライト付きで、2つの小窓から隣地の緑が楽しめます。
戸を開けると中庭が見え、その上部をガラスとすることで、中庭の明るさが入ってきます。
ほとんどの部屋が屋根の形をそのまま天井の形としていて、空間に動きや変化を与えています。

玄関ホールとリビングは、仕切ることができる引き込み戸が備わります。
さらにリビング大窓の障子戸を閉めた際には、戸当たりが動いて壁面まで隙間を無くするアイデアつきです。


石庭に浮かぶ高床式の平屋 は、鉄骨造+在来木造、敷地面積146㎡で建築面積99㎡、延べ床面積89㎡です。
1階はそのまま89㎡、2壁面が傾斜した変形平面ですが、夫婦の住まいとしては十分な広さを確保しています。
建築費は2920万円で坪単価は108万円、ピロティー廻りの作りや特注の木製大窓、変形の平面やこだわりの床仕上げなどを考えれば、高価となる点も納得できます。
息子さんの設計なので、工事金額が同業者価格となっているのかもしれません。

今回の住まい 東京都昭島市・小林邸−石庭に浮かぶ高床式の平屋 は、道路と敷地の高低差を生かした中庭ピロティーが特徴でした。
敷地の高低差に加えて高床とすることでピロティー空間を生み出し、魅力的なアプローチ兼中庭を生み出していました。

さらに中庭に大きな窓を配して、周囲に対しては囲まれ感がありながら庭に開くことで明るさや開放感を最大限に取り入れていました。
こだわりの床材や借景できる小窓の配置、周回できる空間など、建築家の設計らしいこだわり部分も印象的でした。
高齢者住宅に階段アプローチのピロティー形式を採用するなど、ちょっと微妙な部分もありましたが、敷地を生かした魅力的な空間や細かいアイデアは個性的ながら参考に出来る住まいだったといえそうです。

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