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渡辺篤史の建もの探訪 東京都新宿区・瀬戸邸-都心のソーラーハウス で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 東京都新宿区・瀬戸邸-都心のソーラーハウス は、夫婦と子供二人で4人家族の住まいです。
外観は、コンクリートの打放しで、正面の大きな窓が印象的です。
側面は外断熱を行い、サイディングで仕上げています。
ただ全面を外断熱しているわけではないので、効果はかなり減ってしまいます。

玄関廻りの壁や天井は白い塗装仕上げ、シンプルなスチール玄関ドアを入ると曲面の扉が目に入ります。
上部の横長窓から明かりを取り入れ、奥行きが薄めの玄関収納には水槽が置いてあります。
曲面の扉を開けると、円筒状の階段室につながります。
階段下がクロークで、スチールの螺旋階段で一気に3階に上がります。

3階にはダイニングキッチンと、70cm床が高いリビングスペースが広がります。
入るドアは、やはり階段の円筒形にあわせた曲面扉です。
ダイニングキッチンは天井が斜めになったコンパクトな空間で、キッチンカウンターもコンクリートで作っています。
壁や天井もコンクリートの打放し仕上げ、光は明るいリビングスペースからこぼれてくる、落ち着いた空間です。

リビングスペースには壁の一面に天井までの高さの本棚を設置、小窓や飾り棚としての機能も加わります。
斜めに上がる天井はかなり高いのですが、天井が低い場所もあります。

キッチンスペースは奥が狭くなる変形を生かした台形の配置で、使いやすく動きやすくまとめています。
キッチン天井の一部は高くなり、低い天井部分のダイニングスペースよりも開放感があります。
ガスコンロの正面が小窓、キッチンカウンターの側面にも小窓があり、明かりと通風を確保しています。

リビングとキッチンの大きな段差は、階段を介して移動します。
段差が大きくオープンなので、ちょっと怖い作りですが、子供は既に大きいので問題ないでしょう。

リビング正面(建物の道路側)の高い天井までの壁は、腰から上がほとんど窓で、明るい光が降り注ぎます。
冬は暖かそうですが、夏はかなり暑くなりそうな印象もあります。
そこでブラインドを2重にして、さらに熱気を逃がす窓を設置することで、暑さを緩和する工夫がされています。
そのリビングには、キーボードやパソコンが置いてあり、趣味のスペースともなるようです。

リビングスペースの上部は、冬には熱を蓄えて1階まで暖かい空気を送る、パッシブソーラーの考えが取り入れられた住まいです。
4階は水廻りで洗面とトイレと洗濯機置き場を集約、ガラスで仕切られた明るい浴室からは、屋上庭園が見られます。
屋上庭園の床は土の上に芝生で、ベンチや鳥かごもある、袖壁で適度に目隠しされる空間です。
ガラス窓を通して、3階のリビングをうかがうこともできます。

2階は個室のエリア、稲穂が貼られた扉は娘さんの部屋、扉の上部には通風用の窓も備わります。
窓は小さめながら2箇所に設置、ステンドグラスで柔らかい光としています。
細長い小ぶりなスペースですが、造り付けの机とクローゼットが備わり、機能的には十分な部屋です。
断熱が無い南面の壁は、断熱塗料で仕上げています。

魚が貼られた扉は息子さんの部屋、こちらもステンドグラスの小窓が2箇所。
こちらは四角い部屋で市販の机、収納にはベッド下や本棚も活用しています。

2階にも洗面所(とおそらくトイレ)があり、この洗面所はダイニングと小窓でつながります。
階段を少し下りて、夫婦の寝室につながります。
ご主人の卓球の優勝トロフィーが並ぶ棚があり、テレビとロッキングチェアがあるにぎやかな寝室です。
壁はコンクリート打放し仕上げ、縦長のガラスブロックが並ぶ大きな窓と、通風用の小窓があります。

1階に戻って玄関の奥は、半地下の和室です。
高い位置にある小窓が半地下であることを強調、ドアを入ってから階段で降りる空間です。
階段室の下に開口を開けて、収納スペースとして使うと共に、3階リビング上部の暖気を噴出すスペースにもなります。
普段はご主人の仕事である将棋旗手としての、研究スペースとして使われています。


東京都新宿区・瀬戸邸-都心のソーラーハウスは、RC(鉄筋コンクリート)の壁構造、敷地面積61㎡で建築面積36㎡、延べ床面積128㎡です。
敷地は小さめですが4階建てなので、家族4人の住まいとしては必要な広さを確保しています。
1階(+地階)から3階までが33㎡で、4階が11㎡、変形5角形の平面に、ラセン階段を中心に床の高さを7つに変えたスキップフロアを採用しています。
建築費は4115万円で坪単価が106万円、やはり鉄筋コンクリートで複雑な形の住宅なので、かなり高目となってしまいます。
仕上げはシンプルながら、外断熱を行うなど快適さも高めているので、理解できるコストといえるでしょう。

今回の住まい 東京都新宿区・瀬戸邸-都心のソーラーハウス は、コンクリートの作りを仕上げや空間作りに生かしたところがポイントでした。
ラセン階段を中心に、個性的な空間をつながりつつ分かれるように組み合わせています。
仕上げはコンクリートを生かしつつ、外断熱や太陽の暖かさを活用することで、快適な空間を作り出していました。

外断熱やパッシプソーラーの作り方には多少疑問がありますが、デザインや空間に与える効果を考えると納得できる作りともいえます。
空間に快適さのためにデザインや形を優先、性能や環境が悪くなる部分は工夫や新素材で改善するという、現代の住まいらしい解決法を採用していました。
一般的な木造の住まいでも、外断熱やパッシブソーラーの考えたかは活用できるはずです。
鉄筋コンクリートによる造形の自由さにラセン階段を組み合わせ、個性的なこだわりの住まいとしてまとめているところが、今回の住まいの特徴といえそうです。

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