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壁の向こう側の別世界 10坪の家

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渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県横浜市・西村邸−壁の向こう側の別世界 10坪の家 で紹介されているデザインやアイデアをチェックしましょう。

 

渡辺篤史の建もの探訪 神奈川県横浜市・西村邸−壁の向こう側の別世界 10坪の家は、建築家夫婦と長女の3人家族の住まいです。
外観はモルタル塗りでコンクリート風の箱に軒の出がない切妻屋根、さらに薄い一枚金属板の玄関庇と出っ張りが目立たない四角いガラス窓と、建築家の住まいらしいシンプルモダンな表情です。
モルタル塗りにムラを作ってあるので、職人さんの手作業の感じが個性的です。

1階は奥さんの建築設計事務所で、白い壁とモルタル床がシンプルな表情を強調しています。
その中で木製の縦型ブラインドに、シンプルながらデザインされた家具が並びます。
ひとつのアンティーク家具には、友人のカフェで扱っているコーヒー豆が並び同時に販売しているという、独特な部分も備わります。
アンティーク家具が、広い空間の中で一箇所だけで独立しているので、違和感が少ないようです。

照明はスタルク、書棚はオリジナルで集成材の長いものですが、高さが抑えられているので圧迫感はありません。
コーヒーメーカー置き場兼コピースペースとの仕切りは、暖簾代わりに枝を繋いだ物で柔らかく仕切っています。

階段の手摺には白い網を張り、階段部分の天井までを仕切っています。
2階はリビングダイニングキッチン、こちらもシンプルです。
正面の窓は1階同様に四角い窓に木製の縦型ブラインド、他に窓は2つと窓全体としては小さめですが、白い天井や白漆喰壁に明るいシナベニヤ床で光を反射させ、適度な明るさを確保しているようです。

ダイニングの照明もシンプルモダン、白木のテーブルや椅子と似合います。
リビングとダイニングを仕切る壁は薄い1枚の板、最小限の厚みではっきり仕切りつつ、建具無しなので別室にはならないという微妙な作りです。
リビングの床には、芝風のカーペットが敷かれています。

キッチンもシンプル、IHヒーターとカウンター一体の広い天板で、出っ張りは円筒形の水栓だけです。
掃除のしやすさがポイントの、既製品を上手く選んだキッチンです。
換気扇も横にあり、上部に吊り戸棚やレンジフードがないので、開放感があります。
シンプルでスッキリしたキッチンですが、調理中に出た煙は、部屋内に広がりそうな作りです。
キッチン脇はパントリー、棚にカゴを組み合わせた収納スペースです。

3階に上がると、広いホールが広がります。
ジョージ・ネルソンのベンチにプランター、デンマークの家具がひとつづつ置かれ、一見バラバラになりそうなのですが上手くまとまって見えます。
2階同様の仕切りの薄い壁には、四角い窓が開き、ベンチに座った際に感じられる風も演出に使っています。
広いホールは、将来は子供部屋となりそうです。

寝室にも1・2階と同じく、四角い窓に木製縦型ブラインドが備わります。
クローゼットスペースはカーテンで仕切って、スペースとコストを削減しています。
さらにロフトも付き、まだまだ収納スペースには余裕があるほどの広さを確保しています。

水廻りは3階に集中、浴室をガラスで仕切り、トイレも同室の開放的なつくりです。
浴室部分は信頼性が高いFRP防水を採用しているようです。
水廻りの仕切りも薄い壁だけで、戸はありません。

水廻りは、最近良く見かける開放的なワンルームの上に、扉がないので住まい手を選ぶつくりです。
浴室の床が洗面所と同じ高さで、建具だけで仕切られるので、水が勢い良くあふれると洗面所まで漏れそうです。
プライバシーを含めて、非常に住まい手を選ぶつくりの水廻りといえるでしょう。


神奈川県横浜市・西村邸−壁の向こう側の別世界 10坪の家は、木造3階建て、敷地面積56㎡、建築面積34㎡、延べ床面積101㎡の住まいです。
建築費は1800万円で坪単価59万円、室内のシンプルさと1・2階にトイレがないといった水廻りの少なさでローコストを実現しています。

建物の外周だけで強さを確保しているので、将来の間取りの変更が前提の住まいともいえそうです。
その分だけ、現在の家族に暮らしに合わせた、最小限の仕切りや厳選した家具でシンプルにまとめています。
現在必要のない壁や水廻りを減らすことは、ローコストな住まい作りの為の大きなポイントなのです。

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