光触媒を外壁の汚れ防止に利用している建材があります。
外壁に付いた汚れを光で分解し、超親水性によって雨水が汚れを押し流すので、極めて汚れにくいと言う特徴があるのです。
酸化チタンは光が当たると汚れの有機物を分解します。
汚れの有機物を分解すると、汚れが落ちやすくなります。
また、酸化チタンは水と反応して、水と馴染みやすくなります。
その水が汚れの下にもぐりこむ形となるので、汚れが落ちるという原理です。
外壁部分が綺麗なことも大切ですが、生活の中で一番気になるのは窓の汚れです。
同じコストをかけるのであれば、窓面に光触媒の塗装を行う方が、より快適ではないでしょうか。
窓に光触媒塗装を行なった上で外壁を考えるのが、上手なコストのかけ方と言えるでしょう。
また光触媒作用は、大気中の汚染成分NOx・SOxの浄化にも役に立ちます。
ポプラの木に換算すると、家一軒で12本分という数字は過大評価(汚れを落とすことでも その能力を使っているはずですから)としても、少なからぬ効果があることは事実です。
この点では、環境問題に少しでも貢献できるのですから、良い部分と言えます。
一般壁材の塗料より耐久性が高いと言う点には、疑問が生じます。
光触媒の外壁は、光触媒の自己浸食作用(自分の着色(有機)塗装まで分解する作用)を防ぐ為に、着色塗装と光触媒層の間にセラミックコートなどの保護膜が必要になるのです。
このセラミックコートなどの保護膜が塗装の耐久性を決めると言っても過言ではありません。
着色塗装と保護膜を組み合わせた塗装と、光触媒を使った塗装とを比較すれば、光触媒が耐久性が高いとはいえないのです。
逆に自己浸食作用の為に、塗装の寿命が短くなる可能性のほうが高いともいえます。
また、光触媒部分の塗装自体の耐久性も、自己侵食があるので あまり長くないのです。
10年も経過したら、光触媒の作用が相当弱くなってしまうという点にも注意が必要といえます。
光触媒の外壁の最大の特徴は、汚れを落とす美観効果と、環境改善効果です。
いずれも光を利用した分解作用の結果としてもたらされます。
ただし耐久性に関しては、その分解作用が悪い方向に働く可能性もあるので、注意が必要でしょう。
製品例:光セラ