珪藻土壁仕上材の多くは、壁下地への付着を良くする為に、樹脂などの化学物質を使用しています。
しかし、珪藻土の持つ調湿作用や有害物質吸着作用を最大限に利用するために、固化材に漆喰や粘土を利用した製品があります。
珪藻土の特徴は、調湿作用・有害物質吸着作用・耐火性・耐久性・有害物質分解作用(わずかですが)などです。
調湿作用や有害物質吸着作用については、出来るだけ珪藻土が多く含まれる方が有利となります。
また、樹脂などを使用すると、仕上材の表面に樹脂が膜を作る傾向があるので、調湿性能や有害物質吸着作用を有効に発揮できなくなりますから、珪藻土の含有量が多くても無駄になってしまう可能性が高いのです。
耐火性や耐久性についても、樹脂は珪藻土より性能が落ちるので、樹脂の性能によって耐火性や耐久性が制限されてしまいます。
耐火性については、現実的に問題になることはまずありませんが、耐久性の面では漆喰などを固化材に使用する方が有利なのです。
珪藻土の種類によっては、わずかながら有害物質分解作用もあります。
分解作用自体は かなり弱いものなので、樹脂を使用した珪藻土では、樹脂から出る有害物質を分解しようとする為に、他の有害物質を分解する力が無くなったり、自分自身の樹脂部分を分解してしまうと言うことが生じてしまう可能性すらあるのです。
このような自然素材のみで作られる珪藻土仕上材は、樹脂などの化学物質を利用した珪藻土仕上材より硬く脆いと言う弱点があります。
つまり、ひび割れが発生しやすく、物をぶつけると粉が落ちたりするのです。
しかし、通常の使用では それほど問題になるほどではありません。
樹脂を利用した珪藻土には及びませんが、ジュラク壁など他の塗り壁材(漆喰以外)の方が、粉落ちなどの問題が発生することが多いくらいなのです。
また、コスト面でも不利で、樹脂などの化学物質も利用した珪藻土仕上材より 材料だけで見るとかなり高価になります。
しかし、塗り手間などはほとんど同じなので、工事手間を含めたコストになると差は縮まります。
珪藻土を壁仕上にする場合は、珪藻土の持つ特徴を発揮させることが重要なのです。
自然素材のみを使用した珪藻土壁材の多くは、その性能が高い傾向があります。
調湿作用や有害物質吸着作用を重視する場合には、一口に珪藻土仕上といっても、材料を選ぶ必要があるということです。
唯一の弱点ともいえるコストの高さは、性能を確保する為に必要なコストなのです。
製品例:エコクイーン、リターナブルパウダー、メルシーシリーズ