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物件210 廊下で必ず転ぶ家

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劇的!ビフォーアフター 物件210 廊下で必ず転ぶ家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。

 

今回の劇的!ビフォーアフター 物件210 廊下で必ず転ぶ家 は、閉店したこだわりの寿司屋を住まいとして快適に使うためのリフォームです。
寿司屋の店舗としては なかなか見事な作りなのですが、住まいとして使うには段差や寒さや使いにくさが目立ちます。
5人家族の住まいとして見ると広さは適度ですが、使い勝手の悪さが大きな問題となっているようです。
住まいとして部屋割りを整理しつつ、段差の解消と使いやすい水廻りとするリフォームがポイントとなりそうです。


引越しが済んでいよいよ解体ですが、残す場所や保管する部分を確認して、慎重に解体が進みます。
解体が済むと、しっかりした木構造が姿を現しました。
土台に腐りにくいヒバを使ったりしているので、水廻り部分にもほとんど傷みが見られません。

ここで店舗で使用していた配水管をそのまま利用するので、管の中を確認します。
やはり油汚れが多かったので、高圧洗浄して洗い落としています。

店舗の座敷で使われていた6mの長い式台を切って加工、玄関のL字型上り框として再利用です。
さらに店舗の壁にあった左官仕上げの装飾は、ひとつはキッチン脇の間仕切壁に埋め込み、ひとつはお母さんの寝室の飾り窓として再利用しました。

キッチンスペースには広めのシステムキッチンが備わり、さらに店舗で使っていた軒庇やカウンターを再利用します。
照明付きの和風デザインで、懐かしさを感じさせる個性的なキッチンとなります。
収納や冷蔵庫もコンパクトにまとまり、床暖房や食器洗浄器の付いて、使いやすいキッチンができました。

大学教授でもある匠の、大学での姿の紹介を交えつつ、同じ大学の他の教授となにやら相談しています。
リフォーム中の住まいに振動を加え、住まいの振動を確認しています。
さらに壁を押して強度をチェック、重いしっかりした瓦でも住まいが壊れにくいように、住まいの振動を抑える方法を相談しています。

残った上り框と鉄のフレームを組み合わせたパーツを作り、小屋裏にぶら下げるように固定、さらにダンパーを付けて住まいの振動を抑える装置を追加しました。
振り子が逆に動くことで振動を抑える原理を利用して、地震の際に住まいに加わる振動を減らすようです。
大学教授の利点を生かした、オリジナルの制震構造を採用です。
ただ解析が必要なので、一般的には使いにくい方法ともいえますね。

立派な瓦屋根は、傷んだ目地を補修して再利用です。
庭には広い濡れ縁が付き、脇には大きな壷を使った雨水枡を設置です。
さらに店舗の床に使用されていた鉄平石を庭に敷いて、雨水枡にいたる飛び石の路地を作ります。

店舗の座敷にあった飾り天井を残し、その下の床を四角くカット。
枠を作って床には床暖房のパネルを設置しています。
さらに残った鉄平石を薄くカットして、床暖房の上に張りました。
掘りゴタツ付きの和室が完成です。
座卓も再利用して、石の遠赤外線効果も期待できる堀ゴタツとなります。
残った鉄平石は、表札としても再利用です。

リフォームが完成して、外観は屋根はそのまま、玄関正面には庇が付きました。
庭は砂利敷きの駐車場部分を残しつつ、濡れ縁付きで植木鉢棚付きの庭も出来ました。
寿司桶を再利用した飾り鉢もついて、庭も楽しく活用できます。

外壁は塗装をリフォームしたようで、シルバーの玄関引き戸と共に、和風とは異なるイメージで新しさを強調しています。
既存部分とはデザインをはっきり分けることで、リフォームしたことを印象付ける狙いもありそうです。

玄関は小屋組みを見せて天井を高く確保、独特な梁のかけ方が見られます。
玄関収納は土間続きのウォークインタイプで、豊富な収納とベビーカー置き場を確保しています。
玄関床にも、鉄平石が入りました。

キッチンには玄関から直接入れる扉を設置、買い物の際の動線を短くしています。
キッチン隣の掘りゴタツ付きの和室が食事のスペースで、その和室では店舗の障子を手直しして再利用です。
魚の名前が並ぶ独自のタタミのヘリも再現しています。

もう一つの座敷も飾り天井はそのまま、板貼り床にリフォームしてリビングとなります。
壁には店舗で使っていた看板壁を埋め込み、家族の名前を追加しました。
リビングには濡れ縁付きで庭にもつながり、玄関から続く庇の下で、洗濯物も干せます。
リビング・ダイニング・キッチンがワンルームなので、かなりの広さを感じるスペースとなりました。

店舗の宴会場部分は仕切って、お母さんの寝室を設置です。
お母さんの寝室の壁には、店舗にあった飾り窓と杯の飾りを再利用して活用しています。
収納も2箇所付き、たくさんの物を入れることが出来ます。

水廻りは場所はそのまま、余裕のある洗面所と浴室となりました。
階段部分は2階の床の一部をアクリル板とすることで、明るい階段としています。
階段の段板を利用した収納も備わり、階段脇には、トイレが付きます。

2階は9畳のフリースペース、現在はDJ機器とレコードコレクションが並んでいますが、将来は2つに仕切って子供部屋となります。
収納を上手く使用した仕切り壁ですね。
広い小屋裏収納も付いて、収納量としても十分な広さを確保しています。

2階にもトイレが付き、3畳分のウォークインクローゼットも備わります。
寝室となる和室は広さはそのまま、天井を高くして小屋裏収納もつくので、より広く使えそうです。
制震装置には棚を付けて収納としても活用、さらに寝室は畳を外すと洋間となる床仕上げです。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件210 廊下で必ず転ぶ家 は、寿司屋で使っていた良質で思い入れのある部分を最大限に活用したところがポイントと言えそうです。
利用可能な部分をたくさん活用することで、新しいながら懐かしさも感じられる住まいとしてまとまりました。
元々店舗なので、1階部分に広いオープンスペースを作りやすかったところもポイントといえるでしょう。
壁が少なく一部屋が広い建物は、住まいとしてリフォームする際は使いやすいのです。

リフォームの内容としてはかなり特殊な例なので、参考としにくい建物リフォームにも感じます。
とはいえ、再利用のアイデアや使えそうなものを見極めるポイントなどは、他の一般的な住まいのリフォームにも活用できそうなリフォームといえるでしょう。

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