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物件202 台所がお風呂の家

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劇的!ビフォーアフター 物件202 台所がお風呂の家 で出てきたアイデアをチェックしましょう。

 

今回の劇的!ビフォーアフター 物件202 台所がお風呂の家 は、古い精肉店を焼き鳥屋として使っている店舗併用住宅のリフォームです。
孫2人を含む女性4人の為の住まいと、焼き鳥屋と声楽教室を兼ねる建物へのリフォームとなります。
建物の面積としては極端に狭いわけではないのですが、無駄な部分がかなりあって、住まいの水廻り部分が非常にせまくなっています。
台所が1階で食堂は2階、さらに台所のすぐ隣が風呂のスペースという使いにくさも目立ちます。
ロフト部分は天井が高く、法律でみると3階扱いになってしまいます。
そこで機能を整理しつつ、焼き鳥屋と声楽教室をいかに取り込み、どのようにロフトを合法化するのかという、いろいろな点に注目です。


解体が進むと、店舗部分の作りの弱さが目立ちます。
中央部分の柱一本で2階を支える状態で、店舗の正面にも壁がないので相当弱い状態です。
基礎も雑な作りで、水廻りの土台もかなり腐っています。

すぐ近所に材木屋があり、今回の依頼主と昔馴染みなので、ここから材木を調達です。
担いで工事現場に木材を持ち込めるので、輸送費などが削減できます。

傷んだ土台を入れ替え、柱や梁も補強して丈夫な骨組みに直します。
雑な基礎部分はコンクリートで補修、店舗部分にもブロック基礎を作って、住宅部分を広げるようです。
幸い店舗だったので土間コンクリートがあり、基礎の特別な補強は必要なかったようです。

床には断熱材を入れて、1階にはユニットバスが入ります。
腰掛付のバリアフリー仕様です。

今度は改修するモデルルームの厨房機器を貰い受け、焼き鳥屋の厨房機器として再利用です。
今回はかなり特殊なケースで、木材と厨房機器という、共にかなりの費用が掛かる部分をローコストに抑えられます。

天井が高すぎるロフト部分は天井を低くし、2階はリビングダイニングキッチンとして住まいの中心とします。
3枚引きの窓を使用して、3分の2の広い部分を開放できます。
三角形のデッキスペースとつながり、より広さを感じることが出来るスペースが出来ました。
天井近くに窓を作り、遠くの緑が見える配慮もしています。

孫2人の部屋は2階から少し上がった高さに設定、既存のロフト部分だった梁をベッドを支える梁として活用。
台所やとなりの部屋とつながる窓を作って、コミュニケーションを計ります。
子供部屋の下は収納スペースで、天井が低いのでロフト扱いとなります。
ハウスメーカーでも採用されているロフトの作り方を応用した納戸ですね。

子供部屋に上がる階段は、蹴込み板をアクリルで作って採光に活用、さらに解放できる仕掛けを作って、ロフトの大きめの窓から採光や通風が可能なつくりとしました。
ちょっとやりすぎの感もありますが、面白いアイデアです。
(通風ならドアの工夫でも可能なのですが、こちらのほうが目立ちますしね。)

店舗部分はコンパクトに集約、シャッターの代わりに腰窓としました。
そこにもらってきた厨房機器を持ち込み、セットされます。
モデルルームでほとんど使用されていない機器だったので、新品同様の厨房スペースが出来ました。
懐かしい焼き台も再利用して、新しい中に昔とのつながりを感じさせるお店の完成です。

1階の三角形部分は声楽教室となるようで、有孔板で仕上げています。
そこにコーナーに合わせた収納棚を設置、扉を鏡で仕上げ、化粧鏡としても活用です。
ピアノもぴったり収まり、コンパクトな声楽教室の完成です。
ただ窓がジャロジーなので2重ガラスとはいえ、音はかなり漏れそうです。

その音楽室の手前がお婆ちゃんとお母さん二人の寝室で、2つのベッドや収納が備わります。
このベッドスペースも声楽教室として活用、ベッドはカーテンで目隠しします。
特殊な配置ですが、スペースの有効活用としては良いアイデアでしょう。
この寝室兼声楽教室を仕切る扉はしっかりと防音仕様、お店に音が漏れにくい配慮を行っています。
浴室には音楽が聴けるバスサウンドシステムを追加、iPodなどをつないで、入浴中に好きな音楽を聴けます。

角材にレーザー加工を行い、焼き色をつけています。
それを格子状に並べて窓の上に固定、窓を守る木格子には鶏の絵が焼き付けてありました。
レーザー加工でお店の看板と窓の目隠しを兼ねる、看板格子を作ったのです。

90度角度が変わると、歌を歌っている女性の姿が浮かび上がります。
角材の角を使用して、2つの看板を上手くひとつにまとめました。
絵が得意な孫娘さんの力作2枚を題材に、レーザー加工して看板として作ったようです。

リフォームが完成して、外観は黒を基調に木の格子と玄関ドア、そして淡いグリーンのメッシュ壁が目立ちます。
古いまな板を再利用した看板も取り付き、新旧が協力した看板となりました。
玄関部分は広めでカウンター席を設置、焼き鳥屋としての待合機能も併設しています。
昔の店舗の壁の絵も再利用です。

玄関のベンチは下足入れを兼ね、その上部に広めの下足入れも備わります。
店舗の作業台には簡易腰掛けも備わり、長時間の立ち仕事でも一息つける配慮がされています。
店舗の窓にはシャッターが付きますが、そのシャッターにも昔のシャッターの絵を縮小して転写しています。

玄関近くのトイレには、手摺が付きます。
その向かいには洗面所とお風呂、広めの洗面所に腰掛がないのはちょっと残念ですが、浴室はしっかりバリアフリーで、音楽も聴けます。

水廻りの先には、寝室と声楽教室のスペースが広がります。
たたみベッドの下は収納で、狭いながらも収納スペースをしっかり確保しています。
ベッドの奥は納戸となっていて、ベッドの一部を跳ね上げる形で階段下の収納に入ります。
この収納はクローゼットの役割もあり、意外に広いスペースを確保しています。

ゆっくり上がる階段は蹴込み板をアクリルとして、収納に明かりを落としています。
2階のキッチンは上部が天井の高さを生かして吹き抜けとなり、ハイサイドライトから光が降り注ぎます。
対面式キッチンを隠すカウンターは少し高めで収納つき、食器を収納したりオブジェを飾ったりできるつくりです。

4人の食卓は片側がベンチ椅子で、使わなくなった着物をパッチワークした背もたれ付きで、味のあるスペースとなりました。
クッションも同じパッチワークで、ベンチ下はもちろん収納です。
さらに古い写真をデジタル処理してカラフルに甦り、ダイニングスペースの壁を彩ります。

三角形のデッキ部分は木質の目隠し壁やベンチとテーブルも備わり、物干しスペースだけでなく、リビングの延長としても使えます。
そのテーブルは、バーベキューも出来る七輪つきです。

2階の階段を上がったところには洗面台も設置、年頃の孫2人に配慮した心憎いつくりです。
二人の子供部屋は、ロフトベッドとその下をクローゼットとすることで、狭さを感じさせない部屋にまとめています。
エアコンは階段上に2つの子供部屋で1台を設置、可動式の仕切り板で左右に流れるエアコンの風を調整できます。
以前の回にも採用されたアイデアですが、なんとも微妙な印象もあります。


今回の 劇的!ビフォーアフター 物件202 台所がお風呂の家 は、機能の整理と2つの機能を上手く取り込むことでコンパクトにまとめたリフォームとなりました。
採用されているアイデアは、実用的なものと目立つものを含めて、非常に豊富でした。
音楽から通風やコミュニケーションなど、家族のつながりを絶妙なバランスで取り持ってくれる内容が豊富なところにも、好感が持てました。
家族の多様な仕事と趣味を、コンパクトながら一杯に取り込んだ、良質のリフォームだったといえそうです。

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