住まいづくり研究室、タイトル画像

物件193 抜け落ちそうな見番

劇的ビフォーアフターの使えるアイデアをチェック

住まいづくり研究室

劇的ビフォーアフターのアイデアをチェック


物件184
バケツのお風呂に入る家 part2 前編


物件193
抜け落ちそうな見番


物件192
潮漬けされた家



住宅新築のはじめに


住宅リフォームはじめに


家づくりの設計と現場


快適さと使いこなし


建物探訪のデザインや
アイデアを活用

テーマ別
住まいづくりのポイント



住宅新築のはじめに


住宅リフォームはじめに


家づくりの設計と現場


快適さと使いこなし


建物探訪のデザインや
アイデアを活用

テーマ別
住まいづくりのポイント


 

住まいづくり研究室では
一級建築士の管理人が
はじめての住宅取得する際
から上手に使いこなすまで
住宅つくりに役立つ情報を
豊富にわかりやすく紹介

建築家や工務店や
ハウスメーカー選びから
建材設備を選ぶポイント
メンテやインテリアまで
住まいの情報が満載です。

 

劇的!ビフォーアフター 物件193 抜け落ちそうな見番 で出てきたアイデアをチェックしましょう。

 

今回の劇的!ビフォーアフター 物件193 抜け落ちそうな見番 で出てきたアイデアをチェックしましょう。
(物件番号が、いまだにずれたままですね)
今回は住まいから離れて、箱根にある芸者さんの踊りを披露する湯本見番のリフォームです。
稽古場からは音が漏れ、近所迷惑になったり、他の部屋の音で上手く稽古が出来ない状態です。
さらに舞台の床は大きく軋み、ところによっては穴が開いている状態です。
舞台も使いづらく、舞台裏も混乱しているような状態です。
伝統がある建物で部屋が広いだけに、いかに古い良さを保ったまま、使い勝手の改善や補強するのかという点がポイントとなりそうです。


再利用できる材料がかなりあるので、慎重に解体がはじめられました。
金庫の解体中に、中から砂が出てきました。
耐火と盗難防止の為に、大量の砂が壁の中に入っていたのです。

解体が済むと、2階の床を支える梁を補強していた鉄骨梁が効いていない状態なのです。
ボルトで木製梁が折れることは防いでいましたが、相当危険な状態だったようです。

床下は鉄筋コンクリートで補強、現在の1階柱の内側にさらに柱や梁を設置しました。
そして鉄骨梁を設置、2階の床を独立して支えます。
対になった鉄骨梁の間に挟み束を取り付け、鉄骨梁の安定性を確保しています。
床の加重が重い舞台と客席を1階に移す為に、2階の床を高くしつつ補強したのです。
梁の位置が高くなったので、既存の梁の上に新しい梁をスムーズに設置できました。

2階は梁を補強して床には厚い構造用合板を設置、さらに補強しています。
そして1階の舞台予定部分に残った柱や梁を撤去しました。
1階に舞台が出来ればバリアフリー化にもつながるので、いいアイデアといえます。
ここで上棟式に相当する、お清めの儀式を行いました。

1階の窓ガラスを外し、外壁部分の一部も解体しています。
8Mもある長く立派な舞台框も1階に移し、1階の舞台の床も通常より丈夫に作ります。
舞台の床には古材の桧を再利用、釘では固定せずに引っ掛ける角材を取り付けて並べていきます。

舞台の裏には通路を設置、寄木の壁を通路の目隠し兼舞台背面のアクセントとしています。
そして舞台裏の控えスペースから2階の控え室に上がる階段を追加しました。
舞台廻りの使い勝手は、相当改善されましたね。

客席の天井は合板と角材を利用して、格子デザインとして仕上げます。
客席の床はタイル張り、土足で上がれる玄関と同じ高さの床仕上としました。

舞台の客席壁には、バッテンに筋かいを入れて補強、その筋かいも見せてデザインとしています。
1階客席部分には広い格子戸を設置して、開放感を得ると共に、中の様子が外から伺えるつくりとしました。
格子上部を下げることで、上部からしっかり見学することが出来るようにしているところも、面白いアイデアですね。

各席には見番の紋章を入れた畳ベンチを設置、座りやすさを確保しつつ荷物置きとしても利用できます。
さらにベンチを紋章部分で組み合わせて、16畳のタタミの座敷が出来上がります。
練習台としては耐久性や安定感に少し疑問がありますが、着物の展示などにも利用できるアイデアベンチです。

使わなくなった帯を集め手大きな布を作り、舞台の幕として活用です。
電動式の豪華な幕で、華やかな雰囲気を演出しています。


リフォームが完成して、外観が解放可能な格子戸で一新しています。
見かけだけでなく、街との一体感も得られるつくりです。
玄関脇の看板や、置屋のちょうちんも新調。
さらに格子戸の角部分の屋外には足湯も設置され、開かれた見番を強調しています。

舞台下には収納を設置、奥行きがあるので相当な量が収納できます。
舞台の両袖には、舞台袖となる衝立扉と可動式の障子も追加されています。
舞台脇には控え室を設置、2階にも控え室があり階段でつながります。

階段は化粧を行い、土足で2階に上がれます。
その裏側は見番の事務所として、お客さんの対応や見番全体の管理が可能となります。
給湯室や男女別のトイレも付いて、機能的な配置となりました。

2階の従来舞台だった部分には、会議室や役員室などを設置です。
天井はそのまま活用、壁一面に収納棚を配して、たっぷりの収納スペースを確保しています。

また稽古場も2階に配し、20畳の広い控え室とつながる稽古場としました。
防音対策と巧みな部屋の配置で、練習に集中できる環境を確保しています。
控え室の化粧カウンターは、従来の分厚い木材を再利用です。


劇的!ビフォーアフター 物件193 抜け落ちそうな見番 は、1階に広い空間を確保する手法が一番のポイントでした。
舞台を使いやすい1階に配置することで、見番の全ての機能が上手く再配置されたようですね。

さらに畳ベンチや帯の幕など、芸者の街としての特徴を発揮できるアイデアを盛り込んでいます。
もちろん使いやすさにも、最大限の配慮が見られました。
京の町家を手がける設計者だったので、箱根の街にもぴったりのデザインとしてまとめられたようです。
住まいのリフォームとしても、広い空間を確保する手法やアイデア家具など、活用できる部分が多く見られたりフォームとなりました。

潮漬けされた家 抜け落ちそうな見番 バケツのお風呂に入る家 part2 前編
劇的ビフォーアフターtop 物件193 物件184

ページトップ

住まいづくり研究室
住まいづくり研究室 アイコン    「住まいづくり研究室」へのリンクは自由です、連絡も必要ありません。

copyright 2011-2016 kazu All Rights Reserved